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小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower28

部屋の中では、キャキャと笑う子供の声がしている。それにつられて、周りの大人も嬉しくなって笑い声や優しい声音の言葉が飛び交っている。真ん中には、もちろん、礼と実言の子である双子がいて、礼や乳母、侍女たちが囲んで座っているのだ。  耳丸は庭から...
小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower27

五日後、礼は都に行く耳丸に、麻奈見宛の手紙を託した。  耳丸は神妙に礼から手紙を受け取った。すがるように見つめる礼が何を求めているのかわからなかったが、大事に懐へ入れると馬にまたがって都へと向かった。  耳丸は都に行けば五日、六日滞在してか...
小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower26

小さくて柔らかなややをかわるがわる抱いて乳を飲ませる。二人とも一生懸命に乳首に吸いつき飲んでいる。飲み終わると、眠たくなったのかあくびをするように小さな口を開けた。機嫌よく礼の腕の中にいると思ったら、急に火がついたように泣き出して、慌てて揺...

この木なんの木気になる木🌳

買ったGoProを勉強中です。 なので、温かく見てください。 ハワイはオワフ島にある、日本人には有名なあの木です。 あの木に花が咲くなんて考えたこともありませんでした。 花と、カラッとした空気を感じてください。
小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower25

早朝に実言たち、北方征伐の先遣隊は出発した。  美しい装束をまとった先遣隊の一行は、宮殿へ入って大王に出発の挨拶をし、そこから王宮前の大路を勇ましい騎馬隊を連ねて旅立った。  実言の出で立ちの美しさは言葉に表しがたいほど際立っていて、その勇...
小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower24

礼は、実言が自分から離れるのを感じて、目を開けた。格子の間のぼんやりした明かりで夜が明け始めているのがわかった。  実言は灯台の下で身支度をしている。礼はそっと起き上がり、実言の背後に近づいた。実言は袍を着終わって、腰帯を巻くために後ろに帯...
小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower23

日々は淡々と過ぎて行き、すぐに一月の終わりを迎える。出征の前日、実言はみんなで夕餉を食べることにした。礼はいつもより豪華な食材を取り寄せるように言って、膳にはアワビや川魚などのご馳走が載った。忠道や耳丸、縫に澪たち従者、侍女が同じ膳を囲んで...
小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower22

一月の半ばまで宮廷の行事が続き、大臣である園栄をはじめとして岩城家は忙しかった。宮廷の行事が恙無く終わったところで、それを労うために、岩城家の広間で宴会を催して大いに飲み食べて、正月の忙しさは一段落を終えた。  実言は一月の終わりに北方の戦...
小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower21

新年を迎える前に、礼に標(しるべ)の帯を巻く着帯の儀式を行うのに伴って、束蕗原から去が都へやってきた。  お腹の子が無事に育つように祈願し、祝いの膳が振る舞われた。  ごく身近な者の集まりで、縫や澪、忠道や耳丸たちも上下なく食事を饗した。 ...
小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower20

その夜、寝る前に実言は机に向かって書き物をしていた。礼も近くで縫い物をしている。実言が南方の戦に行っていた間の束蕗原での生活は、礼にいろいろな生活力をつけてくれた。縫い物もその一つで、今、お腹のややが生まれた時に着せるための産着を縫っていた...
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