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小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower44

夜明けに、耳丸が目を覚ますと、すでに礼は体を起こしていた。 「よく眠れたのか?」  耳丸が聞いた。礼は頷いて。 「耳丸は?」  と聞き返した。  耳丸もよく眠れた。どの道を行くべきか悩んでいたが、睡眠をとったことで頭の中はすっきりしている。...
小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower43

翌日、三人は夜明けとともに起きた。礼は必要なもの、薬草や布などを板に書き付けて、若見に渡した。若見は眉根を寄せて困った顔をしたが、昼には礼が必要としたものを全部持ってきた。耳丸は馬の世話をするために出て行った。ゆっくりと準備をして、日が暮れ...
物語あれこれ

明けましておめでとうございます!2020

明けましておめでとうございます! 今年も、このホームページで小説を発表していきますので、読んでください! そして、やはり新年は心と体をリセット、というか心機一転させることができるので、毎年何かしら、目標を立てています! 今年は… 「挫折続き...
物語あれこれ

2019年 小説を読んでいただきありがとうございました!

私のホームページを訪れてくださいました皆さま 私のつたない小説を読んでくださり、ありがとうございます ある日、こんな話を書きたい!と思った話が、どんどんと広がっていきました。そして、誰かに読んでもらいたい思い、自分のホームページで公開すると...
小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower42

戸を開ける音で、中にいる人物の身じろぎする様子がうかがえた。 「失礼しますよ」  妙に遠慮して、若見は声をかけながら入って行く。  部屋の中に入ると、隻眼の医師、耳丸さんはなんといって言っていたっけ、れ……せ、瀬矢、という人。片膝を立てて楽...
小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower41

耳丸は男について、回廊を歩き築地塀をくり抜いた門を通り抜ける。これで官衙(官庁)を出て、その裏に続くその他の施設や役人たちの居住地に入った。横に立ち並ぶ建物は、下っ端役人たちの執務部屋や、食堂、倉庫だ。何棟かの建物を通り過ぎて、目的の建物ま...
小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower40

季節は春を過ぎて初夏へと移り変わっている。強い日差しに刺されながら、一言も文句言わず礼は馬を進めている。旅を始めてひと月が経った。男装束にも慣れて堂に入ったものだ。  予想通り、山犬を避けるために泊めてもらった集落を発って三日目の昼間に若田...
小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower39

「……助かったな」  はあ、と大きなため息とともに耳丸が言って、やれやれと持っていた剣を置いた。礼は座り込んでいたが、立ち上がると耳丸のそばに来て座った。 「怪我はない?噛み付かれたところはどうなっているの?」 「あれは、持っていた袋に噛み...
小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower38

馬が逃げるという事件が起こったが、それも無事に戻ってきた。二人はその馬に乗って北へとひた走った。  礼は勝手に木を下りてしまい、実言を本当に怒らせてしまったと反省の気持ちを込めて礼は静かに耳丸の後ろをついて行った。口少なで、休憩や食事も無言...
小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower37

遊佐国も半ばまで来た。国府が置かれている伊神は、拓けていて市も立ち賑わっている。海が近いため海産物のやりとりが目立つ。礼は見たこともない珍しい海のものに興味津々で辺りを見回しながら歩いている。旅に慣れてきたため、体調を崩すこともない。その道...
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