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小説 Waiting All Night

Infinity 第三部 Waiting All Night43

宮廷では、話が漏れ聞こえるのを防ごうと部屋をどれだけ隔てても、それは難しいことである。使用人たちの情報収集力は恐ろしいもので、どれだけ小声で話しても、誰かの耳が聞きとって、口から口へと伝えられていくのだった。  その日の朝の大王の突然の体調...
小説 Waiting All Night

Infinity 第三部 Waiting All Night42

宮廷の奥では、大王の健康について再び問題になっていた。  朝餉を召し上がられた大王が突然気分を悪くされて、食べたものは全て吐き出されて横に転がり苦しまれた。息も絶え絶えの中で。 「春日を…呼べ」  とおっしゃった後、褥の上に臥せられた。次に...
私の生活

iPad Pro 買いました

iPad Pro 11インチを買った!私にとってはこんな変化がありました! というお話です。 新型コロナウイルスの影響で、もう以前の生活には戻れない、という世の中になってしまいましたが、以前の生活より良くなったこともたくさんあると思います。...
小説 Waiting All Night

Infinity 第三部 Waiting All Night41

哀羅王子は、老爺に案内させて敷地内にある倉の前にいた。  哀羅王子や邸の少ない使用人たちの生活は苦しく、昨日から哀羅王子に出す食事も粟と芋を一緒に煮た粥だけになった。着る物だけは、宮廷に赴くために上等なものを春日王子からもらっていたが、邸の...
小説 Waiting All Night

Infinity 第三部 Waiting All Night40

朝餉を摂った大王が急に気分がすぐれないと言われた後、倒れられた。表立って騒ぎはせず、ひそかに弟である春日王子に連絡が入った。ちょうど佐保藁の邸で朝餉を摂っていた春日王子は、それを中断してすぐさま王宮に向かった。急なことで馬に鞍を載せている時...
小説 Waiting All Night

Infinity 第三部 Waiting All Night39

春日王子の邸である佐保藁邸に集められた人々は、隣同士で声を潜めて言葉少なに話しながらその人が現れるのを待った。  その中には哀羅王子もいた。今日呼ばれた人々が上座の正面に向かって両脇を列になって座っているが、哀羅王子は左側の先頭に座って、一...
小説 Waiting All Night

Infinity 第三部 Waiting All Night38

花の宴が終わって三日後、都を東西に渡る一条の通りに供の侍女を一人つけて、質素な身なりで歩く女人がいた。普段、その女人を見た者は振り返ってもう一度その顔を見てしまうほどの美貌の持ち主である。そのため女人は人目につかぬよう頭から織りの入った布を...
小説 Waiting All Night

Infinity 第三部 Waiting All Night37

礼は双子の昼寝する様子を見ていた。朝のうちは邸の侍女たちの子供と一緒に庭を走り回っていた双子は、昼を過ぎると力尽きて眠ってしまったのだ。寝始めは、母親の傍が安心するのか、蓮は礼の膝に乗ってその胸に顔を伏せ、背中をさすってもらううちに、目が瞑...
小説 Waiting All Night

Infinity 第三部 Waiting All Night36

季節は梅の頃。  昨年の秋ごろのご病気が嘘のように、大王は元の元気なお姿に戻られた。大王ご自身ももう健康の不安を感じることもなく、以前よりも精力的な気持ちに満ちている。そうなられた理由の一つに、新年が明けるとともにもたらされた姫君の誕生があ...
小説 Waiting All Night

Infinity 第三部 Waiting All Night35

一月も終わる頃、夜明け前に碧妃は産気づいた。準備は万端で、一日ほどかかったが碧妃は無事に出産した。  生まれてきた御子は女児であった。王女の誕生に岩城本家は歓喜した。岩城園栄はすぐさま王宮へと使者を走らせた。  産湯につかった後、真っ白な産...
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