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小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第五章4

門を出てから、しばらく歩いて実津瀬は鷹野に訊いた。 「今日の集まりは何だ」 「今、地方の領地を管理する者が都に集まっている。それで小さな宴をするのだが、実津瀬が舞うので、その応援も兼ねるのだ」  実津瀬と鷹野は肩を並べて岩城本家へと向かった...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第五章3

翌日、実津瀬は目が覚めた時、既に陽は高く昇っていて、部屋の蔀戸は上がっていた。  いつもの自分ならどんな日でも夜明けには起きているものを……なぜ、こんなに寝入ってしまったのか……。昨夜は、酒を少し飲んだだけと思っていたが、思った以上に酔って...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第五章2

月の宴の前日。  宴で舞うことが決まってから、あっという間に八月になった気がする。  実津瀬は、感慨深く前日の夜を過ごしていた。  昼間は宴の会場である大王の離宮、翔丘殿の舞台で雅楽寮の関係者たちと最後の確認をして邸に戻って来た。夜は離れの...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第五章1

蓮は誰にも見つからないようにと、去の屋敷の森の中へと入って行った。  森の中は夏の暑い日差しを避けるのにはよかったが、風が通らず空気がこもっている。すこし額に汗が浮き出てきたのだが、今はそんなことは気にならなかった。  なぜならこれから、都...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第四章17

朱鷺世が一人で舞う時にどのような舞をしようか、と悩むように、実津瀬にとってもそれは懊悩であった。  今の自分の舞は、朱鷺世に負けているとは思っていない……。  しかし。  と思うのだった。傲慢な思い上がりの上にあぐらをかいていたら、その優位...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第四章16

春の訪れは留まることなく、桜が散った後も次々と別の花が咲き誇り、緑は目に眩しい。  朱鷺世は相変わらず一人ぼっちである。それは今年の月の宴で名門貴族の一員である岩城実津瀬と対決という形で舞を披露することを楽団員達が知らされたからだ。皆、朱鷺...
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【小話】景之亮の結婚 6

三日目の朝、景之亮は帰ることなく、蜜と一緒に朝を迎えた。  そのまま、蜜の父親と対面して挨拶をした。蜜の父親は、泣き出さんばかりに感激した顔で、景之亮を婿に迎えられる喜びを話した。これで、蜜の家族にも景之亮と蜜の結婚を公にした形になった。 ...
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【小話】景之亮の結婚 5

景之亮は蜜の元から邸に戻ってすぐに横になり、短い時間ではあるが眠って、いつも通りの時刻に目を覚ました。今日は、遅めの出勤のため、褥の上でしばらく考え事をした。  朝餉の準備ができた丸が簀子縁をばたばたと歩く音が聞こえて、景之亮は体を起こした...
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【小話】景之亮の結婚 4

景之亮は部屋で腕を組み、考え込んでいる。  侍女の丸が入って来て、声を掛けた。 「ご主人様……ご夕食は要りませんよね?」  その言葉から、景之亮の今夜の行動を予想していると分かった。 「ああ……いらない……」 「そうですね。承知しました」 ...
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【小話】景之亮の結婚 3

翌日、景之亮は夜明けとともに起き、宮廷に上がった。いつも通りに仕事をしたが、仕事が終わっても仕事場に居座っていた。 「鷹取殿、何か?」  手に持った巻物をただただ見つめている景之亮に同僚は不思議に思って声を掛けた。 「いや!これを納めて帰る...
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