小説 STAY(STAY DOLD)

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小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第ニ章13

蓮は薄目を開けた。 自分がどんな状態にあるのか、すぐにはわからなかった。 帰ってくると聞いて机の前に座って景之亮の帰りを待っていたのだ。会えることが嬉しくて、昨日から眠れずにいたのだ。夕暮れ間近の空を眺めて、景之亮の帰りはまだだろうか、遅い...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第ニ章12

結婚して三月しか経っていないのに、景之亮が反乱を鎮めるために尾張の国に行ってしまった時、蓮は愛にはこのような試練があるものだと挑む気持ちだった。しかし、時間が経つとそのような勇ましい気持ちはしぼんで、ただただ景之亮が無事に帰ってくるのを祈る...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第ニ章11

蓮は景之亮が宿直の時の一人寝の夜に、真っ暗闇の中で息をつめて考える。 叔父の宇筑が言うことに従う気は全くない。しかし、宇筑が言うことを蓮も思っているのだ。 子供が欲しい。なぜ、私には子供ができないのだろう。 景之亮は……子供が欲しいに決まっ...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第ニ章10

景之亮は使いをお願いして夜通し準備があるから今夜は帰らないという伝言を届けた。 これから景之亮が尾張の地に行って、不在でも邸には真澄と丸がいて、守ってくれる。そこに、蓮と蓮の実家が加わったのだから、心配はない。 景之亮は安心して任務に集中で...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第ニ章9

蓮が鷹取の邸に来たときは寒い日が続き、雪が降る日もあった。皆が白い息を吐き、身を寄せ合って寒さを凌ぐ日々は、蓮を邸の一員にし、結束が深まった。 梅が咲き、実津瀬が梅見の宴で舞を舞った後、桃の蕾が膨らみ春の足音が聞こえる時期だった。突如、景之...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第ニ章8

年が明けてから、蓮の悩みは深くなった。 待てども待てども嬉しい印は現れない。 子のできない自分が、このまま景之亮と一緒にいてもいいのだろうか。景之亮は待とうと言ったが、いつまで待つつもりだろうか。どれくらい時を費やしていいものだろうか。 宇...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第ニ章7

しかし、蓮の思い通りに物事は進まない。 宇筑が丸に向かって、景之亮に他に女を作れと言え、と話していたのを聞いてから半年が経ったが、蓮の体に変化はない。 景之亮は変わることなく、蓮の傍にいて、愛してくれているが。 丸は景之亮に宇筑の提案を伝え...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第ニ章6

「蓮!」 景之亮は階の一番上に腰かけて、じっと庭を見つめている妻の後ろ姿に声を掛けた。 蓮はゆっくりと首だけで振り向いた。「どうしたんだい……五条のお邸に寄ったんだよ。そうしたら、蓮はもう帰ったと言われて……体の具合でも悪いのか?」 大股で...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第ニ章5

「おお、これはどうしたことだ!随分と邸がきれいになったものだ」 庭から男の声がした。朝、目が覚めて、部屋の中に陽の光が入ってくるような時間までも、景之亮と蓮は衾の中で陸み合っていたが、もう起きなくては丸たちも気まずかろうと、起きて身だしなみ...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第ニ章4

景之亮と一緒に暮らし始めても、蓮は何日か置きには五条の邸に写した本を持って行き、薬草つくりを手伝い、妹弟の相手をした。そして、兄の実津瀬と妻の芹とたわいもない話をした。また、蓮と芹は実津瀬がいなくても二人きりで話をしたし、景之亮が宮廷を下が...
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