小説 STAY(STAY DOLD)

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小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第三章9

昨日は、束蕗原から都に帰ってくる車の中でじっとしておくのに飽きた淳奈を、実津瀬は一緒に馬の上に乗せたり、実津瀬が馬を下りて、腕に抱いたり手を繋いで一緒に歩いたりと機嫌を取った。実津瀬が疲れてくると、護衛の天彦が背中に背負って歩き、背中で眠る...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第三章8

蓮は夜明けとともに起きた。  父の実言が束蕗原に来る前は、蓮は母と珊と同じ部屋で寝ていた。父が来てからは、芹と淳奈の部屋に几帳を立て珊と一緒に寝た。昨日、実津瀬が来たので、昨夜は母屋の一室に褥を設えて珊と一緒に寝たのだった。 起きると侍女の...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第三章7

去は最近の都の様子を聞きたがり、実言が新嘗祭の様子やその準備の時に大路で起こった喧嘩の話を聞かせた。逆に実言は去が生涯をかけて研究している薬の話を訊ねて、芹は薬草園の話をした。しかし、話はお互いの最近の生活のことに移って行った。去は、娘同然...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第三章6

翌日、陽が沈む前に実津瀬が供を二人連れて馬で束蕗原に到着した。  実津瀬は母や妻たちが束蕗原に来た時に同行していたため、どこに妻や息子の部屋があるか知っている。馬から下りるとすぐに離れの庭へと回った。  実津瀬が到着したことを知らせされると...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第三章5

翌日の日が暮れる前に、実言一行が束蕗原の去の邸に到着した。  実言と四人の護衛と二人の舎人が馬でやって来た。  実言の話では夜明けと共に発ったと言ったが、そうであればもっと早くに束蕗原に着いていいはずだが、こんなに遅くなったのは都から束蕗原...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第三章4

束蕗原に来た礼、蓮、芹たちは毎日、精力的に活動した。去の活動の手伝い、山に入ってその幸の収穫をし、その間に温泉に入って寛いだ。充実した日々はあっという間に過ぎ去り、二月が経ち、五日後には都に帰る日が来た。明日は実言が束蕗原に来ることになって...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第三章3

陰湿ないじめによって食事を食べられなくなってから、朱鷺世は頻繁に露のところに行くようになった。  二人はもっと子供の頃、同じ時期に都の近くの土地から、都の宮廷の下働きをしに来たのだった。  その土地の豪族の斡旋によって、集まった都で働きたい...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第三章2

背は高くて痩せている。その男を形容するならひょろっと、になるだろう。  名を知らない者は、背の高いひょろっとした男はどこだ、誰だ、と言ったりする。  今も。 「舞をする男、あのひょろっとした、背の高い男はどこだ。どこにいる?」 と人が訪ねて...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第三章1

「淳奈、いらっしゃい」  五条岩城実言邸の離れの庭の前にある階の前で芹が淳奈に手招きした。  淳奈は弾けんばかりの笑顔で母の元に走って来た。芹はしゃがんで両手を広げ、淳奈を受け止めた。  池に投げられるという事件は、幸いにも幼い淳奈の記憶に...
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New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第ニ章20

がらんとした部屋の真ん中に景之亮は座っていた。  蓮は女人にしては、物が少ない。丸や他の使用人の女人たちの部屋はいろんなものが溢れかえっていたが、蓮はそんなことはなかった。  しかし、それでも、蓮の物が無くなった部屋は殺風景だ。これが三年前...
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