物語あれこれ 【物語あれこれ】2024年もよろしくお願いします あけましておめでとうございます。2023年まで私の小説を読んでくださった皆さま、ありがとうございます。2024年も同じように小説を上げていきます。実津瀬と蓮の二人の新たな愛と恋のお話を時にはハラハラドキドキし、時には涙を抑えて読んでいただき... 2024.01.01 物語あれこれ
小説 STAY(STAY DOLD) New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第四章11 山には桜が咲いている。 束蕗原の去の屋敷の周りにも桜の木が点在しており、風に乗って花びらが舞って来る。 蓮は薬草園で摘み取りの作業をしている途中に、桜の花びらが頬に落ちて来て顔を上げた。 だいぶ暖かくなってきた。夜明けとともに起きて作業をす... 2023.12.29 小説 STAY(STAY DOLD)
小説 STAY(STAY DOLD) New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第四章10 開かれたままの稽古場の扉に影が差して、人が一人ふらりと現れた。 しかし、今ではこの時間に現れる人物を誰か、と顔を上げて確認する者はいなかった。 岩城実津瀬が来た、と誰もがわかっている。 扉の近くで一人背中を丸めて座っている朱鷺世は稽古場に入... 2023.12.23 小説 STAY(STAY DOLD)
小説 STAY(STAY DOLD) New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第四章9 淳奈の部屋で子守の苗と一緒に寝顔を見ていた芹のところに、侍女の槻がやって来た。それで、実津瀬が帰って来たのだと分かった。 芹は淳奈を苗に任せて、槻と一緒に夫婦の部屋に戻って行った。 庇の間に入ったところで、反対側の簀子縁から静かな足音が聞こ... 2023.12.16 小説 STAY(STAY DOLD)
小説 STAY(STAY DOLD) New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第四章8 いつものように侍女の住居の前まで来た朱鷺世は指笛を吹いて露を呼び出した。 その日も露は台所から搗き米をかすめ取って柿の葉に包んだものを朱鷺世のために用意していたから、指笛が聞こえたらすぐに出て行った。 朱鷺世は無言で住居裏の森になった庭の中... 2023.12.09 小説 STAY(STAY DOLD)
小説 STAY(STAY DOLD) New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第四章7 「朱鷺世!手だ!手!」 淡路の大声が稽古場に響いた。淡路の後ろには楽団の長である麻奈見が腕組して朱鷺世の舞を見ている。 「手を意識したら、次は足が疎かになっている!」 淡路は朱鷺世に近寄って手にしていた短鞭を振るった。 空を切った短鞭はビシ... 2023.12.02 小説 STAY(STAY DOLD)
小説 STAY(STAY DOLD) New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第四章6 石の床の続く先には、椅子が三脚置かれていて、左端の椅子の後ろには雅樂寮の頭である麻奈見が立っていた。「麻奈見殿!」 実津瀬は声を上げた。 稽古場には行くが、それほど熱心に舞うわけではないため、最近は麻奈見を避けている。会うのは久しぶりだった... 2023.11.25 小説 STAY(STAY DOLD)
小説 STAY(STAY DOLD) New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第四章5 翌日、実津瀬は中務省の館で仕事をした後、佐保藁の宮へと向かった。 宮廷の西北に位置する佐保藁という場所にある宮は、元は大王の邸であったが、いつの時か大王の兄弟に与えられ、それから代々王族が受け継いで住んできた宮である。先代大王の弟宮である春... 2023.11.19 小説 STAY(STAY DOLD)
小説 STAY(STAY DOLD) New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第四章4 五条の離れの部屋にこの邸の家政を一手に預かる忠道が来た。「お帰りなさいませ、実津瀬様」 昼間、実津瀬が邸に帰って来たのを待っていたかのように現れたのだ。「うん。今帰って来たところ」「どこか寄り道でもされていたのですか?」 芹は奥の部屋で遊び... 2023.11.11 小説 STAY(STAY DOLD)
小説 STAY(STAY DOLD) New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第四章3 「あー、おいしかったですね」 井は言って、自分のお腹をさすった。 食堂は食事が終わった後、少しの間おしゃべりをしている者が多くてにぎわっていたが、それぞれの時間を過ごすために一人、二人と食堂を出て行く者がいた。 これからは各自の自由時間で、... 2023.11.04 小説 STAY(STAY DOLD)