小説 I really like you Infinity 第一部 I really like you7 秋のある日。陽はまだ高い時。実言は礼の部屋を訪れた。簀子縁から庇の間に入ったところで実言は礼の侍女の縫を手招きした。傍に寄った縫に耳打ちすると、縫は耳を真っ赤にして頷いた。縫は部屋に入って、部屋の真ん中に座る礼に跪いて今度は礼に耳打ちした。... 2019.09.16 小説 I really like you
小説 I really like you Infinity 第一部 I really like you6 真皿尾の邸に戻った礼は、熱を出して苦しんだ。もうだめかという時もあったが、辛うじてその命をつなぎとめた。そして、病状は落ち着き、徐々にではあるが快方に向かっていった。父や兄の呼びかけにも応えるようになり、礼は言葉少なではあるが意思表示をする... 2019.09.16 小説 I really like you
小説 I really like you Infinity 第一部 I really like you5 礼の兄、玖珠巻と侍女の縫は、離れの別室で一時待機となった。 玖珠巻は応対する実言に、礼が目を覚ましたら、真皿尾家に連れて帰ると言った。それを聞くと実言は慌てて説得し、怪我の状態が安定するまでは岩城の邸で面倒を見たいと言った。「矢は私たち兄弟... 2019.09.16 小説 I really like you
小説 I really like you Infinity 第一部 I really like you4 新嘗祭を前に、全国から収穫された食物が都に運ばれてくる。特に、この年は海を渡って異国の使節団が来るので、いつも以上に大変な賑わいである。都では見たこともない色とりどりに美しく着飾った異国からの使節団が列をなして王宮に入って行く姿は壮観である... 2019.09.16 小説 I really like you
小説 I really like you Infinity 第一部 I really like you3 礼と朔は、姉妹のように育った。朔の母親と礼の母親は姉妹で、礼の母親が病弱で子供の世話ができず、姉である朔の母親を頼って、よく礼を預かってもらった。礼は朔と共に遊ぶ毎日だった。朔は礼の一つ年上で、幼い頃から確固とした自分を持った子だった。礼は... 2019.09.16 小説 I really like you
小説 I really like you Infinity 第一部 I really like you2 花冷えした朝、礼は、父親から実言が来ることを告げられた。実言は礼の許婚である。一年前に、親同士が決めたことだけど、それには曰くがある。実言には既に決まった許婚がいたのを解消して、礼を妻に欲しいと言ってきたのだ。ある出来事で実言の気持ちが変わ... 2019.09.16 小説 I really like you
小説 I really like you Infinity 第一部 I really like you1 少女は、庭の奥に咲く桜の樹の下で、雪のような花びらに埋もれながら、その間から見える青い空を見上げていた。桜を愛でる宴に、子供たちもよばれていてはじめは大人しく宴の末席についていたが、そのうちお尻がうずいて、立ち上がり子供同士でかくれんぼをし... 2019.09.16 小説 I really like you
物語あれこれ はじめまして このブログは主に小説を書くために始めるブログです。日本語で誰かにこの物語をおもしろい!と思ってもらえたらと思っています。日本の古代を舞台にした物語です。宮廷の権力者の三男の妻になった少女、礼の約10年に渡る物語です。事故により左目を失い、命... 2019.09.16 物語あれこれ