仏像を見る旅。今回は近い場所にある「法華寺」「海龍王寺」をご紹介します。
はじめに
行けばいつでも見られる仏像はいいですが、ある期間に特別開帳される秘仏、秘宝を見るためには、当たり前ですがその期間に行かなければらず、うまい具合に休暇が取れないと見に行けませんでした。次に紹介する法華寺、海龍王寺の仏像も過去に期間が合わず、ご分身や閉ざされた扉を見るだけでそのお姿を見ることはできていませんでした。今回、秋の特別開帳時に奈良に行くことができて、そのお姿を見ることができてとても嬉しかったです。
法華寺、海龍王寺への行き方
そこに行くには、近鉄奈良線の「新大宮駅」で下車し、歩いて15分くらい。または、バスに乗って最寄りバス停「法華寺前」で下車するのがいいでしょう。
しかし、今回、私は近鉄の「大和西大寺」で降りて、そこから徒歩で平城宮跡を横切り、法華寺、海龍王寺に行くというルートです。
現在、平城宮跡では「大極門」が復元されており、ほぼ出来上がっている感じです。
その大極門に上がって、北に見える第一次「大極殿」をみたり、もっと東に移動して第二次大極殿跡や宮内省跡の復元された建物を見学して、法華寺までやってきました。
1.法華寺門跡
◆十一面観音菩薩立像(平安時代、国宝)
前に、1度この寺を訪ねたことがありますが、その時は特別開帳の期間ではなかったため、ご分身像を見ただけでした。今回、ご本尊を見ることができて感激です。
この仏像は、深緑に見える髪が額の上、そして肩を覆っている、また唇が赤く色づいているように見える。光背は蕾の蓮の花や葉が背中から左右に広がっている。薄い衣をまとう姿、肩から下がるドレープ。大きさは、1mほどの大きくない仏像ですが、それはそれは印象的な仏像です。
◆阿弥陀三尊および童子(絹本著色) (平安時代、国宝)
慈光殿という宝物が収められている建物があります。その中に絹に書かれた阿弥陀如来、観音菩薩と勢至(せいし)菩薩、童子の姿に別れる3つの絵。来迎図ということです。
色あせてはいますが、桃色の花びらが舞っているのが見えました。花びらの配置も良くて、これから向かう極楽浄土の美しさを思わせる雰囲気があり、興味深く見ることができました。
2.海龍王寺
◆十一面観音菩薩立像(鎌倉時代、重要文化財)
この仏像も、特別開帳時でなければ見られない仏像です。
金色の肌に、青緑の髪、首から胸、腰に掛けて付けられている装飾。衣の下半身の部分には緻密な模様が描かれており、美しいです。
◆五重小塔(奈良時代、国宝)
建物の中に収まる小さな五重塔です。それが奈良時代に作られていたなんて、驚きです。
西金堂内に安置されています。西、金堂とあるだけに、東金堂もあったようですが、明治時代に焼失したとのこと。現在は東金堂があった場所には基礎の跡があるだけでした。
終わりに
法華寺と海龍王寺はともに同じ十一面観音菩薩がご本尊です。大きさも1m弱で一見似たお姿ですが、それはそれは作られた時代も違いますし、それぞれに特徴がありますね。
仏像好きにはたまらない奈良のお寺巡り旅でした。
おまけ
泊まったホテルの近くにあった柿の葉寿司のお店「ゐざき」。
いただいたのは柿の葉寿司ではなく、「焼き鯖寿司」(鯖好きなので)。とてもおいしかったです。
奈良に行ったらまた食べたい。
柿の葉寿司のゐざき
どなたかの仏像めぐりと旅の参考になれば幸いです。
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