小説 STAY(STAY DOLD) New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第六章8 去の館に避難してきた者たちは皆、雨に打たれることなど気にすることなく、本道を遡ってくる水が迫って来る前に立ち止まって、声もなく目の前の水の流れを見つめている。 昨日まで目の前に見えていた光景は、もう記憶の中にしかないのだ、と黒い水を前にし... 2024.08.26 小説 STAY(STAY DOLD)
小説 STAY(STAY DOLD) New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第六章7 裏道の警護をしていた男たちの一人は立っていられない程に動揺している牧の肩を抱いて、もう一人は先に立って浅い川となった坂道を登っていった。 「見習いの蓮という女人が誤って水の中に落ちて流された!」 という話は、見習い仲間たちの中に瞬く間に広... 2024.08.18 小説 STAY(STAY DOLD)
小説 STAY(STAY DOLD) New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第六章6 蓮と牧は笠と蓑を着けて、並んで坂を下りて行った。 去の館には本道と呼ぶ表の道とは別に裏道がある。名前の通り、邸の裏に辿り着く道で、村人は通常使わないが、このような非常事態であれば、住人達は裏道も使うはずだ。蓮と牧は裏道を登って来る村人を助... 2024.08.12 小説 STAY(STAY DOLD)
小説 STAY(STAY DOLD) New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第六章5 真夜中に大王はひとり、王宮の奥にある神殿に入って膝をつき、祈りと供物を捧げた。 束蕗原でも去が館の裏に作った祭壇に向かって祈り、蓮も祈った。井や鮎たち見習いも、そして束蕗原に住む者は皆、老いも若いも関係なく祈った。 雨を降らせてください... 2024.08.04 小説 STAY(STAY DOLD)