2024-05

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小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第五章9

「兄様!」  一族はまだ翔丘殿には来ていないかな、と思いながらも観覧の間に向かった実津瀬の前に弟の宗清が現れて、元気に声を掛けて来た。 「宗清、みんなは?」 「もう、着いています」  宗清が廊下から部屋の中に入ると、子守の苗の膝に座っていた...
小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第五章8

朝、目が覚めると、隣で寝ている芹は目覚めていて、こちらを見ていた。 「……目が覚めていたのか。黙って見ているなんて人が悪い」  芹は衾の端を引き寄せて口元を隠し、くすくすっと笑って。 「いつもあなたがやっていることです」  と言った。  そ...
小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第五章7

桂は、月の宴に雨が降らないようにと、前日に巫女と共に祈りを捧げた。  いつもなら、雨を降らせてほしいと祈りを捧げるのに、宴の時はその反対を祈るなんてつくづく自分は勝手なものだ、と桂は思った。  桂の祈りが通じたのか宴の日の朝、桂の頭上には青...
小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第五章6

「朱鷺世、今日は早く休めよ」  先ほど、雅楽寮の長官、麻奈見から言われた言葉を、稽古場から先に立ち去る先輩舞手の淡路にも言われた。  朱鷺世は頷いたが、すぐに寝床部屋には行かなかった。  誰にも気づかれないように、庭の奥を通って、侍女たちの...
小説 STAY(STAY DOLD)

New Romantics 第ニ部STAY(STAY GOLD) 第五章5

梅雨から初夏にかけて、実津瀬の一人舞はほぼ完成した。  毎日、仕事も忙しく、遅い時間に稽古場に行って、朱鷺世と一度二人舞を舞うとすぐに五条に帰って、一人舞を練習した。  その間、芹は実津瀬の努力を見守っていた。実津瀬の舞を一人で覚えて舞うほ...
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