2022-08

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小説 あなた

New Romantics 第一部あなた 第三章24

手の甲に当てる武具を取り付けるのに、鷹野は難儀していた。 「う~ん、この紐はどこにつながるのかな」 「鷹野、ここに通すんだ」  既に狩り姿に衣装を整えた実津瀬が、鷹野の腕から垂れている紐の先を取って、腕の下を通して反対側の紐通しの穴へと入れ...
小説 あなた

New Romantics 第一部あなた 第三章23

「実津瀬!景之亮様がいらっしゃったわよ」  簀子縁を通って、実津瀬の部屋の前まで来た蓮が叫んだ。  部屋の中には実津瀬の他に稲生と鷹野もいた。  遅れて景之亮が大きな体を現した。実津瀬たち三人は簀子縁まで出て、景之亮を迎えた。 「景之亮殿、...
小説 あなた

New Romantics 第一部あなた 第三章22

それから芹は房にたしなめられたためか、奥の部屋に籠らず、日中は庇の間まで出てきて縫い物に勤しんでいる。  一生懸命に手を動かしているが、手が止まるとしばらくぼうっと外を眺めている。岩城実津瀬と出会う前も左手の残った親指と膝を使って縫い物をし...
小説 あなた

New Romantics 第一部あなた 第三章21

「か……」  景之亮様、とその名を呼ぼうとしたのだが、それよりも早く景之亮は蓮を抱き締めた。  いつものように主の実言と少しばかり話をして、蓮の部屋へと渡ってきた。そこに足音を聞きつけて庇の間に出迎えた蓮をその場で抱き上げたのだ。 「あっ…...
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