小説 あなた New Romantics 第一部あなた 第ニ章8 蓮は机の前に座って、束蕗原から届いた薬草の本を開いていたが、ぼんやりと前を見ていた。 誰のために写本をしたらいいのか。それは、母のためであり、束蕗原の去のためであるのだが、気持ちが入らない。 蓮は筆を持つ気にならず、膝の上に両手を置いて、開... 2021.10.02 小説 あなた