2021-05-16

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小説 あなた

New Romantics 第一部あなた 第一章12

今日、父が束蕗原に行っていてよかった。  実津瀬は、心からそう思った。  邸に家族は誰もいない。自分の様子が変でもそれを何かといってくる者はいないのだ。  雪と別れる前に背を向けて袴をつけ直し、脱いだ袍に袖を通して帯を締めた。雪は、単衣を肩...
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