小説 あなた New Romantics 第一部あなた 第一章3 実津瀬は部屋の真ん中に寝転んで、ぼんやりと天井を見ていた。ともすれば、焦点はぼやけて、自分の意識の中に入り込んでゆく。 そんな自分を叩き起こすように、簀子縁をバタバタと走ってくる者がいる。 「実津瀬!」 「兄様!」 自分を呼ぶ声に意識は... 2021.03.14 小説 あなた