小説 Waiting All Night Infinity 第三部 Waiting All Night94 夏の夜は薄い衾一枚で足りるのはいいと、礼は思った。台所にいた侍女に先に部屋を出て行った男たちから離れた部屋に案内してもらい、薄い褥の上に膝を抱いて座っていた。昨日と同じ蒸し暑い夜だが、時折風が吹く。 今も柔らかい風が部屋に入ってきた、と思... 2020.09.12 小説 Waiting All Night