小説 Waiting All Night Infinity 第三部 Waiting All Night45 手元の杯の酒は一向に減らない。口まで持っていっても、唇を湿らせるだけで、口に含むところまではいかないのだ。 哀羅王子は、杯を握ったまま、父から受け継いだ邸を出て吉野に行き、また吉野から都に帰って来た十五年の長き日々を思い出していた。 十... 2020.06.07 小説 Waiting All Night