2020-01

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小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower49

この村に入ってから三十六日目。耳丸と医者の瀬矢はこの村を発つ。  発つ前に、最後に実言の左腿の傷を見る。傷口は肉がついてほぼ塞がっている。あとは安静にして少しずつ足を動かして慣らしていくしかなかった。瀬矢医師はこのあと実言の世話をする三佐古...
小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower48

十四日目。  礼と耳丸、三佐古は実言のいる横穴で、いつものように体を拭いてやり、肌着を着替えさせ、傷口の具合を見て、水や粥、果物の果汁を飲ませに来た。  礼が傷口を見て塗り薬を塗ると、体を疼く痛みがあるのか、目をつむって静かにしている実言は...
小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower47

夜明け前。  礼は一人起き出した。黙って小屋を出ようとしたが、耳丸が起きてしまった。そして、耳丸は用心棒のつもりで礼の水浴びに付き添った。女であると悟られないようにするのは大変だった。体の輪郭を出さないように着込んでいる礼にはこの夏の暑さは...
小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower46

未刻を過ぎた頃、横木が外されて扉が開いた。今まで耳丸と話をしてきた男を先頭にその後ろに数人の男が現れた。 「顔を洗わせてやる」  そう言うと、耳丸と礼を立たせて小屋から連れ出した。危害を加えられる気はしないが、どこに連れていかれるのかわから...
小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower45

三方に張った板は適当に建てつけてあるので、隙間だらけであるが、小屋の中は蒸し暑く、頭から顔に汗が滴り落ちてくる。時々、吹く風が壁のない面から吹き抜けていって、一時の清涼をくれた。二人は苦しい時間を無言でやり過ごした。  扉の横木が外される音...
小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower44

夜明けに、耳丸が目を覚ますと、すでに礼は体を起こしていた。 「よく眠れたのか?」  耳丸が聞いた。礼は頷いて。 「耳丸は?」  と聞き返した。  耳丸もよく眠れた。どの道を行くべきか悩んでいたが、睡眠をとったことで頭の中はすっきりしている。...
小説 wildflower

Infinity 第二部 wildflower43

翌日、三人は夜明けとともに起きた。礼は必要なもの、薬草や布などを板に書き付けて、若見に渡した。若見は眉根を寄せて困った顔をしたが、昼には礼が必要としたものを全部持ってきた。耳丸は馬の世話をするために出て行った。ゆっくりと準備をして、日が暮れ...
物語あれこれ

明けましておめでとうございます!2020

明けましておめでとうございます! 今年も、このホームページで小説を発表していきますので、読んでください! そして、やはり新年は心と体をリセット、というか心機一転させることができるので、毎年何かしら、目標を立てています! 今年は… 「挫折続き...
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