小説 I really like you Infinity 第一部 I really like you16 礼はゆっくりと目を開けた。薄く開けた目の中に光を感じて、今が夜ではないことがわかった。ここ数日は、去や縫たちが近くで会話している声が聞こえて、自分は母や瀬矢兄様のところには行けなかったのだとわかった。 もし、私が死んでしまったら、実言は悲し... 2019.09.23 小説 I really like you
小説 I really like you Infinity 第一部 I really like you15 三月に入っても、まだまだ寒い日が続いた。その日も束蕗原には霜が降りて、土を踏むとザクザクと音がした。早朝の寒さも陽が登ると次第に和らいだ。 礼は束蕗原の畑の脇に自生している蓬生を摘んでいた。他にも去の弟子たちが畑に出て作業をしていた。空は晴... 2019.09.23 小説 I really like you