8月下旬に熊野古道を歩いて来ましので、その旅の様子を何回かに分けてシェアしたいと思います。誰かの旅の参考になれば幸いです。
1.熊野古道:どこを歩くか
熊野古道はいつくかの参詣道があり、その道の始まりから終着点である熊野本宮大社までの全工程を歩いてみたい、という気持ちはあったのですが、夏という季節、自分自身の体力的な面から一部分を歩くことに決めました。
今回、多くの人が歩いた参詣道・中辺路(なかへち)の、最後の最後、「発心門王子~熊野本宮大社」までの約7キロを歩くことにしました。
2.発心門王子まで
1日で自宅から発心門王子まで行って、そこから熊野本宮大社まで歩くことは難しいため、まずは熊野本宮大社近くまで行き、そこに1泊してから、翌日発心門王子まで行くことにしました。
まずは1日目、中辺路の出発点になる和歌山県田辺市のJR「紀伊田辺」駅に降り立ちました。
駅の改札を出ると、中辺路出発点ということもあり観光案内所があって、いろいろな情報を得ることができます。
その前にあるバス停から熊野本宮大社経由発心門王子行のバスに乗車します。熊野本宮大社まで行くバスは限らており、そこまでバスで2時間はかかります。
バス停でバスを待っていて驚くことは、外国人観光客の多さです。
全世界からこの熊野古道を歩く体験をしたいという人が多いのだと知りました。
その時のバスの座席はほぼ埋まり、その半分以上が外国人の方たちでした。
「滝尻王子」というポイントから熊野古道を歩かれるようで、多くの人が滝尻王子近くのバス停で下車されました。10キロ20キロという距離を歩くのも悪くないですね。景色や、古代~中世~近代~現代と歩き継がれてきた意味なんかを考えながら歩くのもいいなぁと思いつつ、季節を選んでチャレンジしたいです。
私は長い長い乗車の末、熊野本宮大社の手前、「川湯温泉」で下車。
1日目はここの民宿に泊まって、明日、熊野古道を歩きます。
午後3時前に川湯温泉バス停に着き、そこから川湯温泉を少し散策して本日泊まる民宿へと入りました。
川湯温泉は名前の通り、川から温泉が出ているようです。多くの人が川遊びをしていていらっしゃいました。
翌日、午前8時頃「川湯温泉」バス停から「発心門王子行」のバスに乗り、私の熊野古道の出発地点にいざ!向かいました。
3.発心門王子~熊野本宮大社まで
バスの終点「発心門王子」に到着し、バスの運転手さんからは「発心門王子は右側を少し上がっていたところです」と説明があり、その通りに歩き出し、発心門王子に行きました。(参考:熊野本宮観光協会ホームページ)
発心門王子バス停です
熊野古道には●●王子と呼ばれるポイントがあります。その昔、そこには社が建っていたそうです。江戸時代にはその社も廃れていき、今ではその名が残るのみの石碑がある場所が多いようです。王子には格もあるようで、「藤代王子」「切目王子」「稲葉根王子」「滝尻王子」「発心門王子」は特に有名、重要のようです。
●●王子の多くは土地の名前が付くようですが、「発心門王子」の「発心」とは辞書を引くと「悟りを得ようとする心を起こすこと」とあり、宗教的な気持ちを持ち立つ門(場所)のようなイメージの王子で、他の王子とは少し違うように感じます。
発心門王子
そこからまた来た道を戻り、バスの終着地の前を歩いて、いざ、熊野古道へと進みます。
発心門王子から水呑王子に向かいます
熊野古道の道のイメージは、よく観光ポスターにあるような両側に大きな杉並木が立ち、その間に石畳の階段があり、むし垂れと呼ばれる笠をかぶり、杖を持った平安時代の旅装束の女性が階段を登ろうとしているように思います。
確かに代表的な古道の一部分なのでしょうが、発心門王子~熊野本宮大社の道は山の中の土の道を歩く、民家の前を歩く、田んぼや畑の間を歩くといった道が多かったです。
この区間はおすすめの熊野古道の歩き区間として、多くの方が紹介されており、約7キロの道のりではありますが、大きなアップダウンはなく、約2時間30分で終着地点である熊野本宮大社に辿り着きました。
熊野の高い山の中を歩いていて、途中向こうに見える山から谷の風景がとてもよかったです。
私は山の中の田舎生まれ、育ちですが、また違った景色に感激し、ワクワクの気持ちいっぱいで歩けました。
熊野古道を歩くのに、特別な準備はいるのだろうか?と出発する前に考えました。約7キロの距離ですが、歩きやすいのでこの区間を歩こうと計画される方も多いと思います。準備の参考になれば嬉しいです。
★この区間を歩いてみたいと思われる方の準備に役立てばと思い、私の準備をご紹介します。
私は4泊5日で和歌山⇒三重(伊勢)⇒奈良と旅する予定です。泊まるホテルで洗濯を1回しようと思って計算した衣類と身の回りの必要な日用品をリュックサックに入れて背負って歩きました。 |
4.熊野本宮大社
山の中を歩いて来ましたが、山を下りると本宮町の団地に着きました。
そこから、少し道を間違い(しっかりと「本宮大社はこちら」という看板があったのですが、見落とし、逆の道を進んでしまいました)時間を5分くらいロスしてしまいましたが、案内通りに歩いて辿り着きました!
熊野本宮大社!
本宮大社の正面に出るのではなく、裏側の入口です。
歩いて行くと、八咫烏ポスト、社務所、授与所に着きます。そこから門をくぐって拝殿に行きます。
八咫烏ポスト
拝殿は写真に個人的な思い出として撮ってもいいけど、SNSなどへの投稿は控えてくださいという注意書きがありました。
拝殿には4人の大神が祭られており、拝殿とは別に満山社という結びの神の御社があります。お参りには順番があります。右から順にというわけではなく、参拝順序の看板がありますのでそれをよく確認して、順番通りにお参りしましょう。
以前、NHKの番組「ブラタモリ」で熊野本宮大社をタモリさんが訪れている回がありました。
あの時に、熊野本宮大社は昔から今の場所にあったわけではなく、明治時代の大洪水で本宮大社のあった場所、大斎原は水浸しになって、現在の場所に移ったと説明がありました。
番組を見て、そんな歴史があるのだと知りました。
熊野本宮大社のホームページに参拝の順序が載っており、熊野本宮大社⇒産田社⇒大斎原と参拝します。産田社と大斎原の間には大きな鳥居があります。大鳥居をくぐり進むと、大斎原があります。そちらにももちろんお参りしました。
5.おまけ①(食事)
お参りを済ませて、本宮大社内にあるお店が入っている建物に近づくと、「cafe alma カフェ アルマ」がありました。自家焙煎のコーヒーなどの飲み物や熊野本宮大社の近くで採取した二ホンミツバチのはちみつを使ったカステラを売っていました。
2時間半歩いた後の、アイスコーヒーはおいしかったです。
また、近くの喫茶店「喫茶 きっちん」で昼食。お腹に優しいものと思い、うどん定食をいただきました。
写真の右のお皿に載っている緑の塊は「目張り寿司」という熊野の郷土料理だそうです。ごはんを高菜で包んでいます。
美人もこのお寿司を食べる時は大きな口に目を見開いて食べるということで目張りというと聞きました。
6.おまけ②(宿泊)
前日に宿泊したのは川湯温泉の「民宿 立石」さんです。
お刺身、アユの塩焼き、てんぷら、熊野牛といろいろな料理をいただくことができました。大満足のお料理でした!
誰かの旅の参考になれば、幸いです!
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