すっかりと身なりを整えた春日王子が、来客用に使っている部屋の手前の庇の間に入ると、中から大きな声が聞こえてきた。
「春日王子はまだか!どれほど待てというのか?本当に、こちらにいらっしゃるのだろうな!」
大人しい哀羅王子が声を荒げている。それを、邸の舎人や侍女が何とかなだめようとして言葉をかけている。それほど待たせたものかな、と考えながら、ゆっくりと巻き上げてある御簾をくぐって、几帳の陰から春日王子は姿を現した。
「待たせたな、哀羅」
その言葉に、哀羅王子と部屋にいた舎人、侍女は顔を上げた。
大きな声で文句を言っていたのは当然春日王子に聞こえていたはずだとわかって哀羅王子はきまりの悪い顔をして下を向いた。舎人と侍女は静かに部屋から下がって行った。
「いいえ、すみませぬ、大きな声を出しまして」
哀羅王子は座ったまま頭を下げた。
春日王子はその前を進んで、上座の自分の席にどかっと腰を下ろした。その気配に、やっと哀羅王子は顔を上げた。
「すまんな。ちょうど来客が重なって、お前を待たせることになった」
春日王子が座ると、その前に侍女が酒とその肴になるような料理を載せた膳を持ってきた。すかさず春日王子が手に取った杯に、侍女は酒を注いで、その場を退出した。
春日王子は、哀羅王子に向かって杯を少し高く上げて、一口飲んだ。哀羅王子も呼応するように杯を手に取り、持ち上げた。
普段、それほど酒を飲む男ではない哀羅王子が、そこそこ杯を空けている様子だ。顔が赤くなっているし、膳の上には銚子が二本ある。時間を持て余して、酒を飲むしかなかったようだ。
哀羅王子は、上げた杯に少し口をつけただけで、すぐに膳の上に置いた。待つ間に酒を飲み過ぎた。
春日王子の傍に別の侍女が着いて、空ける杯に酒を注いでいく。しばらく、春日王子が酒を楽しむのに付き合って、哀羅王子は雑談をした。
春日王子は酒も入って、だいぶ酔いが回ってきたところで、自分の右隣りに座って、黙々と酒を飲んだ振りをしている哀羅王子に視線を向けた。
「哀羅、今日はどうした?……月の宴の準備のことか?何か不都合なことでも起こったか?」
春日王子は、哀羅王子が自ら訪ねて来た理由について思い当たるものを言ってみた。
月の宴は、いつも通り翔丘殿で行われるが、その宮殿の内装を新しくするのを、春日王子と哀羅王子が一部請け負っており、その進捗具合の話かと思った。
「いいえ、準備は支障なく進んでおります。今日、お伺いしたのは月の宴の準備のことではありません」
哀羅王子は言うと、体を上座の春日王子の方に向けた。
「春日様、私は長い間、考えていました。私が都を離れる時のことを。一体どなたが私を都から一旦離れるように指示をされたのか。その時邸に来た使者に訊いても、さる王族の方からといわれました。それに、王族皆が、私の将来を案じて今は一度身を隠した方がいいと思われていると言われたのです。私はその言葉に、その場では納得しましたが、それから吉野に籠って、やはり果たしてどなたが私を都から出すように言ったのかと何度も考えていました。こうして、あなた様のお陰で都に還ってくることができても、その方は誰なのかを時折考えることがありました」
春日王子は、杯を口元まで持って行ったが、口の着ける直前で止めて、哀羅王子を見た。
「ほう。で、誰がそなたを都から離れるように指示したのだ。分かったのか?」
そう口を挟むと、一口酒を飲んだ。
哀羅王子は、一段高い場所に座る春日王子を見つめて言った。
「はい、やっとわかりました」
「で、どうした?その王族の方とはお会いできたのか?」
「はい。しかし、今からでございます。十五年前のご真意をうかがうのは」
春日王子は何も言わずに、一口、一口と酒を飲んだ。
「ひょんなことから、知ることができました。つい先日、十五年前に使者として我が邸に乗り込んできた者に会ったのです。その声音で私はあの者だと気づきました。あの声音を忘れてはいませんでした。そして、その者に尋ねました」
哀羅王子は、そこで言葉を切ったが、春日王子は酒の無くなった杯を侍女へ差し出していて、哀羅王子の方は見ていない。上の空のような態度である。しかし、哀羅王子は続けた。
「あなたは十五年前にどなたの元に仕えていたのか?それを聞くだけで、どなたが私を都から離れさせる指示をしたのかわかりました。私は、それは嘘であってほしいと思いました。だから、はっきりさせるためにも、今日こうして、こちらに参ったのです」
哀羅王子は強い眼差しを春日王子に向けて言い切った。春日王子は、右の顔半分を哀羅王子に見せていて、眉を少しひそめただけだ。
「十五年前、我が邸に使者としてきた者は、春日王子、あなたの腹心の舎人でした。私を都から引き離し、岩城から引き離したのは、あなただったのですね」
哀羅王子は言い放った。
春日王子と対面して問いただした時、何というだろうと思っていたが、春日王子はすぐには何も言わなかった。
「十五年前、加羅津を私の邸によこし、岩城が……岩城園栄が私の命を狙っていると言って、都を離れさせた。それから、私は私を吉野の山の中に追いやった岩城一族をずっと憎み、呪った。都に戻ってみて、十五年の歳月は見事に私を守ってくれて、岩城はもう手が出せなくなったのだと思った。そして、私を探し出し、煌びやかで豊かな都に戻してくれた春日様に感謝した。命の危険もなくなり、こうして宮廷の中で王族としての地位を築いていくことができるのだと。私は、失った十五年を取り戻すのに心を燃やした。宮廷の行事の中で王族と会うと、中には私が突如、姿を消したことを不思議がる方もいた。そのまま、岩城を後ろ盾にしていれば、王族と臣下を結ぶ役割も担えただろうと。父も、それを望んでいたはずだと。それでも、岩城は権力を手に入れるために私を消す必要があったのだと、十五年前に教えられたことを信じた。しかし、ついこの間、宮廷の長い回廊で、私は園栄とすれ違った。都に戻って初めて、これほど近くで園栄と会った。十五年前に殺そうとした相手が急に生き返ったように現れたことを恐れて、私に近づこうとしないと思っていた。園栄は二人の部下を連れて歩いてきた。私だと分かると、立ち止まり深く頭を垂れた。その姿に、私に王族への敬意を表そうとしてるのか、それとも無言でわびているのかわからなかった。そのような時、加羅津が現れた。全て、あなたが仕組んだことだったと分かった。あなたが私を都から引き離し、十五年もの長き間打ち捨てるように放っておいて、今になってほうぼうを探して回って苦労して見つけてやったと言って都に呼び戻した」
そこで哀羅王子は言葉を切って、息継ぎをした。
「どうして?どうして、春日様は私を吉野へやってしまったのですか?」
じっと黙っていた春日王子は、哀羅王子の問いかけにすぐには口を開かなかった。哀羅王子が言い終わったあとの苦しさに耐え切れず溜息をつくと、おもむろに声を発した。
「哀羅、お前は愚か者か?……都に呼び戻してやって、お前は私の傍で何を見てきたのだ」
哀羅王子は顔を上げて、春日王子の方に振り向いた。
「お前は何を見てきたのだ。宮廷で、ここで、私と一緒に様々な人物と会って。それは権力を手に入れるためだろう。自分のものにするために、全てをかけておるのだ。自分にそれを手に入れられる地位にいるのだから、どれだけ少ない犠牲で容易く手中に収めることができるかを考え、その結果、手に入れたこの世に己がどのような権力を振るい、世の中を動かせるか、考えるだけでも身震いがして夜も眠れない。そのために、どんなことでもする。そして、どんなことでもしてきた。お前はわからないのか」
鋭い目を向けて、哀羅王子を睨みつけた。
「……幼い私でも、あなたには邪魔だったと?」
「そうだ。むしろ、お前が幼ない、従順な年ごろだから生き残れた。そうでなければ、消していてもおかしくない。お前の父親である渡利王は、いつも誰にでも公平に接する常識人であり、博学で異国の文化に造詣が深く、異国の友人も多く、王族からも頼りにされていた。また、岩城をはじめとする臣下たちからも慕われていた。それは、渡利王が亡くなった後でも、その多くが変わらない態度であったろう。その息子が、成長すれば後ろ盾を買ってでた岩城と手を組み、渡利王の生前築いた信頼を着て私に襲いかかってくるのは目に見えていた。……今考えれば、殺さなかったのは情けよ」
「私は……それほどにもあなたの脅威だったのですか?」
哀羅王子は春日王子から話される言葉一つ一つを噛みしめて胸が痛くなった。そして、最後にぽつりと言った。
「……はははっ」
一瞬きょとんとした表情をした春日王子は直後に哄笑して言った。
「自分を買いかぶるな。誰だろうと、何が起ころうと、私は自分の意思を遂げる。しかし、今ではお前は私の仲間だ。私の陣営の中心にいて、私の片腕だ。お前を呼び寄せたのは、同じ王族であり、時を経て敵対する者ではなく、必要な友人になったからだ」
春日王子は空いた杯に酒を注ぐように侍女に促した。満たされた杯を哀羅王子に向けて上げたが、哀羅王子は杯を取らない。
「注いでやれ」
春日王子に促された侍女は哀羅王子の隣に移って、徳利を傾けたが哀羅王子は膳の上の杯を取り上げなかった。侍女は困って、小さな声で、さっ、どうぞと言って促したが、俯いたままの哀羅王子は微動だにしない。
「哀羅」
「……私には気持ちの整理ができません。吉野から救い出してくれたあなたは救い主であったはずなのに、私を谷底に突き落としたのもあなただと知ってしまっては、私の心は……」
「きゃあ」
哀羅王子の傍に座っていた侍女が悲鳴を上げた。
「哀羅っ!」
春日王子が持っていた酒の入った杯が哀羅王子めがけて飛んで行ったからだ。すんでのところで、侍女が身を引いてよけた。杯は哀羅王子の袍に当たって、その衣装を濡らした。
「私の心は……今まで通りとはいきません!」
「……お前は十五年前のままの子供か?世の中綺麗ごとばかりではないことを学ばなかったのか。お前が吉野に行ったのがその最たるものだろう。皆が生き延びるために、躍起になっているのに、お前は何を悠長なことを言っているのだ」
「春日様を憎むべきか感謝するべきか、心は決めかねています」
「いい加減にしろ」
春日王子は目の前の膳を持つと上に跳ね上げた。大きな音を立てて膳はひっくり返り、食器が散らばり、料理が床に広がった。侍女は、再び悲鳴を上げそうになったのをすんでのところで手で口を覆い、飲み込んだ。そのまま、後ろの几帳の陰に隠れて、そのまま部屋から出て行った。その代わりに、男たちが三人ほど隣の部屋に詰めて様子を窺った。
「いい加減に現実を見ろ。今のお前は地に落ちた貧乏王族だということを、自覚しろ。そして、お前の生きていく道は我が陣営で私に尽くすことしかないのだ。お前の意思で何かが決められることはないのだからな。嫌いだろうと仲間は仲間だ。友は友だ。まあ、好きに越したことはないがな」
春日王子はせせら笑った。哀羅王子はその言葉が聞こえていないのか、黙ったまま俯いてる。
「私を許せなくても、お前は自分のために私とともに戦うのだ。話はそれからだ。それからならいくらでも立ち合ってやる」
春日王子は一段高い場所から哀羅王子を見下ろしている。唇を噛みしめて黙っている哀羅王子に釘を刺すように言った。
「二心を起こすんじゃないぞ。お前の行動は見張らせているからな。努々(ゆめゆめ)私を裏切ろうなどと思うんじゃない」
話は終わったと言わんばかりに、春日王子は立ち上がり、翻って哀羅王子に背中を見せて奥の部屋へと引っ込んでいった。
残された哀羅王子は、唇が震えるほどの怒り、動揺、不安、なんとも言えない感情がないまぜになって、暫く立ち上がれなかった。それでも、ここにいるわけにはいかず、立ち上がると、几帳の陰から男が現れて言った。
「お見送りします」
哀羅王子は黙って舎人の後ろを歩いた。今まで何度もこの宮廷内の春日王子の館を訪ねてきたが、このように帰りを案内されるのは初めてだった。館の出入口まで来ると、男はくるりと哀羅王子を振り返り、その先の道を譲った。無表情のその顔を一瞥して、哀羅王子は宮廷の別の棟へと移る回廊へと一歩足を踏み出した。すると、男は呼び止めるように言葉を発した。
「春日様がおっしゃいましたように、あなた様の行動は逐一見張っておりますゆえ、これからの行動は慎重にされた方がよろしいでしょう」
哀羅王子は言葉に反応して、男を振り返った。釘を刺しておきたくて、ここまで一緒についてきたのだと合点がいった。哀羅王子は、すぐさま顔を正面に向けて、長い回廊をずんずんと進んで行った。
春日王子の言う貧乏王族は、供を一人も付けることもできず、我が身ひとつで都の大路小路を徒歩で行くしかなかった。こうして歩いている間も、春日王子から命を受けた者が、どこからか自分を見張っているのだろうと思うと、体の動きがぎくしゃくしそうだった。
しかし、頭の中までは見張ることはできまい。できるだけ平静な顔をして歩くことに務めて、頭の中では様々な感情、去来する過去の出来事を思い出しながら、思い巡らせるのだった。
「お帰りなさいませ」
今にも崩れ落ちそうな個所がいくつもある長い築地塀を眺めながら帰って、屋根が落ちそうな門をくぐると、下男が庭を掃き清めている最中だった。
哀羅王子は、その下男をじっと見つめた。
「どうされましたか?」
腰の曲がった老爺をしばらく見下ろしていたが、視線を外すと、「何でもないわ」といって、邸の中へと入って行った。
哀羅王子の心の中には屈辱の感情が強く残っていた。
誰にも覗かれることのない哀羅王子の頭の中では、どれほどの春日王子の脅しがあろうと、決めたことがあった。それを遂行するためにはどうしたらいいかを考えるだけだ。
確かに、今の自分は春日王子の一番の追随者だ。春日王子が自分の一番のそれにするために、自らが吉野の奥深くに追いやったものを恩着せがましく見つけ出したと言って傍に置いたのを、ありがたがって春日王子の言うことに唯々諾々と従ってきただけだが。
かつて、父親が築いてきたものを受け継ぎそれを一つも欠かすことなく、我が子へ渡すことが当たり前に自分に課せられたことだと思っていた。都に還ったら、そのために自分は何でもするつもりだった。しかし、どれだけ自分が成し遂げたいことだからといって、自分を没落させて、いいように使おうとする者に仕えられるだろうか。人を食ったような考えの男についていけるだろうか。春日王子は、気に入らなければ自分と同じことをすればいいと言った。それを受けて立ってやるが、その前に、春日王子が今なそうとしていることを手伝えと。それが終わってからならいくらでもやり合おうとそう言っていたのだ。
哀羅王子は気づけば自分の部屋の中にいた。目は見えているが、見ておらず耳は聞こえているが聞いておらずといったところか、自分の部屋までの簀子縁を無意識に歩き、後ろをついてきた侍女の声に適当な返事をしていたのだ。腰に下げていた刀を取って、侍女に渡しているところで、我に返った。
どうすればいいか、頭の中の思考の谷に深く沈んでいたのだ。
「お召し物が濡れていらっしゃいます。雨でも降りましたか?」
脱いだ袍を渡すと、目ざとく見つけた侍女が言った。濡れたのは春日王子に投げつけられた杯の中のせいで、あの時の光景が思い出された。
「いいや、雨は降っていない。訪問先でよばれた酒をこぼしてしまったのだ」
合点がいった侍女は袍を持って部屋を出て行った。部屋着の上着を肩からひっかけて、円座の上に座り、肘掛けに寄り掛かって再び考え込んだ。
春日王子が今なそうとしていることをやり終えたら、それはすべての権力を手に入れることになる。そんな男に戦いを挑むなど無茶なことで、到底哀羅王子には勝ち目のないことだ。どこまで行っても、自分ひとりでは春日王子に勝つことなどできないのだ。
しかし、一人ではなく、誰かを頼り、その人の助けを借りて一矢報いるなら、その鼻を明かすこともできるかもしれない。そう、誰かの助けを借りて。
春日王子に対抗できる人物は誰か。その人に話を持ちかけることはできないか。
頭の中に今までに会った人物を、王族から臣下の隅から隅までを思い起こしてみるが、一人一人消えてゆき、最後にはその男しか頭の中に残らなかった。
「……はっ……あはは、ははっ……」
その者しかいないと思ったら、滑稽で自然と笑いがこみあげてきた。笑い過ぎて片腹が痛くなって、手を腹の上に置いた。このような自分の姿を、春日王子の見張りはどこかに忍び込んでみているのだろうか。私が何にこんなに笑っているのか、不思議に思いながら。
哀羅王子の中に残った春日王子に対抗できる人物はこの人しかいなかった。
岩城園栄。
十五年前、純粋な少年の心は、教えられるままに岩城園栄が自分を殺そうとしていることを信じた。一人の少年王族を殺し、自分の権力を強固なものにしようとする園栄は非道な悪の権化であり、十五年、そしてついさっきまで憎み続けていたのに。
その男しか頼る相手として思い浮かべられないとは、なんと滑稽か。
十五年間の蓄積された憎しみが、全て仕組まれた虚構の感情であったと分かって、おいそれとこれまでの気持ちをひっくり返せるだろうか。助けてくれとすり寄って行けるだろうか。園栄の前に、もう一人ありありと浮かぶその人影を直視するのは苦しかった。園栄を憎むとともに、園栄との橋渡しを頼まなければならないその男も等しく憎んできた。いや、園栄以上に憎んだかもしれない。深い絆を感じていたからこそ、自分への敬愛の態度は全て嘘だったと信じて、その反動は計り知れず、憎悪に変わった。だから、その男には、酷いことをした。悪意ある言葉を容赦なく投げつけ、許しを請うて跪く体を蹴とばし、その妻を犯そうとした。そんなことをした自分を許し助けようとしてくれるだろうか。自分ならしない。
実言……
実言はこんな身勝手な私を許し、私が今から挑もうとすることを助けてくれるだろうか。拒否されたら、私は何もできない、ただただ春日王子に従うのだろう。情けないことだ。しかし、実言に拒否されることを恐れて、春日王子に従うだけでいいだろうか。恥を忍んで実言に助けを求め、私は我が家を再興させるのだ。あるべき姿に戻すのだ。そのためであれば、どのようなことでもすると決めた。
哀羅王子は、春日王子に十五年前のことを今日問いただすまでの悶々とした日々が終わり、目の前の霧が晴れ、ぼやけていたものがはっきりと見える世界を目の当たりにしていた。
腹は決まった。今まで命が惜しくて惜しくて仕方なかったが、その命を懸けるとしたら今なのだと悟ったのだった。
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